田原総一朗さん小泉首相こそ「賞味期限切れ」です
2004年2月14日
宇佐美 保
テレビは、自衛隊のイラク派遣に対する、小泉首相の、次なるコメントを流していました。
“お金だけ出していれば善いのではなく、汗も流さなくてはいけない” |
この小泉氏の「汗」が「血」を意味している事は、アーミテージ米国務副長官は2月2日の東京都内の日本記者クラブでの記者会見での発言(朝日新聞2月3日付け)の「リスクも負うこと」は、「血」を意味している事は、誰の目にも明白です。
小泉首相は、自衛隊をイラクに派遣しただけでなく、日本の世界における役割を再定義したという意味でも新たな基準を築いた。日本はもはや乗客であることに満足しない。より良い将来を形作るための道筋を描いていくことになる。サマワの人たちは高い信頼を日本においている。日本は金銭的な貢献だけでなく、リスクも負うことで全幅の信頼を世界から受けることができる。 |
小泉氏は簡単に「お金」と表現していますが、そのお金は、国民の「血と汗との結晶である税金(血税)」ではありませんか!
“お金だけ出していれば……”的表現は、「お金(即ち、血税)」を軽視しています。
「血税」を軽視することは、国民を愚弄していることだと存じます。
「血税」を軽視する小泉氏は、「血税」を自分が懐にした「アブク銭」と勘違いしているかの如くのに、ブッシュ政権の言いなりに上納しています。
毎日新聞(2003年10月11日付け)には次のように記述されています。
政府は10日、イラク復興資金について、初年の04年分は15億ドル(約1650億円)を拠出することで最終調整に入った。財源は03年度の政府開発援助(ODA)予算のうち無償資金協力の未実施分や予備費をあてる。04年から07年までの4年間では総額50億ドル(約5500億円)を上回る規模の拠出を検討しており、小泉純一郎首相が来週中に最終判断する。 |
借金大国の現在の日本は、こんなお金何処から出すのですか?
そして、苦しんで出すこのお金が貴重ではないのですか?!
田原氏の近著『聞き出す力:カナリア書房』で、「僕はテレビで、自民党の賞味期限は終わったと平気で言っている」と記述されています。
でも、私は「小泉首相までも、賞味期限切れ」と存じます。
そして「情に欠けた小泉氏」を期待した、己の愚かさを改めて恥じています。
ところが、田原総一朗氏は、こんな小泉氏を未だに弁護しているのです。
週刊朝日(2004.2.13)のコラム「田原総一朗のギロン堂」に於いて“ブッシュを信じた小泉首相に同情する”と、田原氏は、次のような呆れ果ててしまう小泉弁護を展開しています。
(以下、断片的に抜粋させて頂きます)
1月23日、イラクで大量破壊兵器の捜索にあたっている米調査団の団長だったデビッド・ケイが辞任して、「イラクに生物・化学兵器の備蓄があったとは思えない。核兵器も開発の初期で、ブッシュ政権による当時の脅威の主張が見当違いだった」という旨の表明をした。 |
ブッシュ米大統領がイラク戦争に踏み切った理由は、国連の査察では差し迫った脅威である大量破壊兵器を見つけ出すことができず、9・11のような大規模テロが起きる危険性が極めて高いということであった。そのために明確な国連安保理決議がないまま、戦争に踏み切ったのである。 この事実は、世界中の人間たちが鮮明に覚えている。…… |
しかし、前レバノン大使の天木直人氏は、「国連決議なきイラク攻撃は何があっても阻止すべきである」などの意見具申を川口外務大臣、ひいては小泉首相に行っていたのです。
(そして、この行為によって氏は事実上解雇されたとの事です。
以下は、氏の著作『さらば外務省!』(講談社発行)からの引用)
本使は、国連決議が成立しないままに米国が単独攻撃に踏み切る事態だけは、なんとしてでも阻止すべきと考える。それは国連を死に追いやり、戦後の世界の安全保障体制を根幹から否定することになるからである。わが国最大の同盟国である米国を、世界の批判にさらされるような事態に追い詰めてはいけない。今こそわが国は国を挙げてかかる事態を防ぐ国際的努力を行うべきである。 サダム・フセインの譲歩を待つことは幻想でしかない。対イラク攻撃は最終的には避けられないであろう。ならば、国連安保理事会が一致してそれを容認することである。大量破壊兵器の廃棄を求める国連の査察が確実に効果を見せつつある中で、フランスの言うように今しばらく査察状況を見守り、イラク攻撃に踏み切るにはその後でも遅くはない。「今しばらく」が数日以外にないとする米国の主張は如何にも硬直的であり、初めに攻撃ありきという米国の本音を窺わせるものがある。 「米国が単独攻撃に踏み切っても、わが国がそれを支持するのは規定路線である」などとする報道が国内でさかんに流されている。本使はそれが外務省の公式な立場であるとは思わないが、よしんばそうであっても、その前に米国の単独攻撃だけはなんとしてでも食い止める気迫ある外交努力が必要ではないか。 |
ところがこの様な背景のもとに、小泉氏の国会答弁に関しては次の如くです。
(毎日新聞2月10日付け)
大量破壊兵器の存否をめぐる首相答弁は、身もふたもないという点で一貫している。 兵器に関する米側の事前の情報提供については「ブッシュ大統領とは話をしているが、中身は申し上げられない」の一点張り。「大量破壊兵器も(戦争)支持の根拠の一つだが、(そもそも開戦は)国連憲章にのっとっている。廃棄を立証する責任はイラクにあった」という論法だ。 |
小泉氏が「国連憲章にのっとっている」と国連尊重の姿勢をとるなら、天木氏の「今しばらく査察状況を見守り、イラク攻撃に踏み切るにはその後でも遅くはない」との意見具申を尊重すべきだった筈です。
ここで、田原氏の著作の抜粋に戻ります。
現に、昨年5月にブッシュ大統領が戦闘終結宣言をして以後、ブッシュ、プレアの両首脳はともに、しきりに「フセイン政権を打倒してイラク人を独裁の恐怖から解放した。われわれが目指すのは中東全体の民主化だ」と主張している。 だが、これは明らかに問題のすり替えである。 |
この件は田原氏の記述に賛同します。
問題は、以下の記述です。
もう一つ、実はわたしは日本の小泉首相に、被害者として同情している。 小泉首相は、「フセイン政権が隠し持っている大量破壊兵器を暴いて廃棄する」というプッシュ大統領の言葉を信じて、イラク戦争を支持したのであった。 国会でも、野党の質問に対して「まだ見つからないだけだ」と繰り返し答えている。 小泉首相がウソをついたのではなく、日本には独自の調査能力がなく、ブッシュ大統領の言葉を信じるしかなかったのであろう。しかし、デビッド証言によって、下手をすると小泉首相をウソつき仲間だと誤解する国民が少なくない。 小泉首相、ブッシュ大統領に自分が国民から誤解されて困っているぐらいのことは訴え、「世界の人間たちにあなたの民主主義を信用させるために、大量破壊兵器について重大な読み違いをした理由をしっかり説明せよ」と求めるべきである。 |
田原氏が、こんな馬鹿げたコラムを正気で書くとはとても思えません。
特に、日英以外の大国はブッシュに反対したにも拘わらず、ブッシュの行動を支持した小泉氏に対して、“小泉首相がウソをついたのではなく、日本には独自の調査能力がなく、ブッシュ大統領の言葉を信じるしかなかったのであろう”と書くとは、ひょっとしたら田原氏の頭が壊れてしまったのでしょうか?
それとも、やっぱり拙文《田原総一朗氏の変節》に書きましたように、田原氏は変節されてしまったのでしょうか?!
“日本には独自の調査能力がなく”と云うなら、何もブッシュだけの言葉を信じずに、世界の大勢を見渡すべきではありませんか!?
世界の大勢に背くブッシュに騙された小泉氏を私達国民は“小泉首相をウソつき仲間”と誤解するのではなく“小泉首相をウソつき仲間”と断定しているのです。
又、田原氏は“小泉首相、ブッシュ大統領に自分が国民から誤解されて困っているぐらいのことは訴え、「世界の人間たちにあなたの民主主義を信用させるために、大量破壊兵器について重大な読み違いをした理由をしっかり説明せよ」と求めるべきである”と書いていますが、小泉氏もブッシュ氏も「国民や、世界の人に弁明する」以前に、いわれもなく国土を破壊されたイラク国民に先ず謝罪すべきではありませんか!?
そして、田原氏ご自身も“実はわたしは日本の小泉首相に、被害者として同情している”と書く前に、“イラク国民に、被害者として同情している”と書くべきではありませんか!?
そして、イラク国民に多大な迷惑を掛けてしまった小泉氏(ひいては日本)は、「総額が8388億円」の「イラク向け公的債権」を最終的には放棄する事になるのでしょう。
(以下は、朝日新聞(2003年6月11日付け)
政府は11日、イラク向け公的債権の総額が8388億円に上る、と発表した。返済が滞っている元本4527億円に利息と契約違反に伴って生じた遅延損害金を加えて算出した額で、10日からパリで開催中の主要債権国会議(パリ・クラブ)に報告した。 …… 米国やロシア、フランス、ドイツなど欧州各国も遅延損害金を加算した債権総額をパリ・クラブに報告した。G8(主要8カ国)は、イラクの債務返済を、戦後復興が軌道に乗るまで一定期間、凍結することで大筋合意しており、パリ・クラブでは、これを追認した上で、凍結解除後の債務の取り扱いを協議する。 |
この様な大損害を日本国民に押し付けるであろう責任を小泉氏は、如何にして果たすのですか?
更に、田原氏は“日本には独自の調査能力がなく”と書かれていますが、日本国はアラブ各国に大使館を設置しているではありませか!?
何故、アラブ各国の大使館からの情報を重用しないのですか!?
この理由は、小泉氏の無能と怠慢のなせる業なのです。
先に引用させて頂いた天木直人氏の著作『さらば外務省!』には次の記述があります。
中東大使会議での寂蓼たる光景 外務省が重視する国とは、米国が関心を持つ国かあるいは日本企業のビジネスマンが多く駐在している国かのいずれかだ。 …… 私が経験した中東外交も、例外ではない。米国への配慮だけを念頭においた外交だった。中東地域に駐在する大使を年に一度、東京に集めて行う「中東大使会議」での寂蓼とした光景も、そのことを如実に物語っていた。 二〇〇二年三月、東京で開かれたその年の大使会議は、異例ずくめだった。時あたかも、次々と表面化するスキャンダルの対応に振りまわされていた時期である。本省の幹部がほとんど会議に出席することなく、三日問の大使会議は終わった。…… とくにひどかったのは、三日問の日程の中、ただの一度も川口順子外務大臣が会議に姿を見せなかったことだ。…… 政府の中東外交の不真面目さを証明してくれたのは、小泉首相であった。政務に多忙な小泉首相は、表敬訪問のために官邸に訪れたわれわれ大使を待たせ、遅れてやってきた。 三〇分しかないということで、安藤局長が手短に最近の中東情勢を述べた。さらに安藤局長は、現地の生の声を首相にお聞かせしたいとして、イラク、サウディ・アラビア、イランといった主要国の大使の意見を誘った。時間がないと急かされながら、各大使は手短に話した。 これを黙って聞いていた小泉首相が、安藤局長から「お言葉を一言いただきたい」と水を向けられたときのことである。私は、小泉首相の言葉に開いた口が塞がらなかった。中東情勢にはまったく関心がない様子で、たった一言、「君たちの重要な任務はその国の首脳と親しい関係を作ることである」 これだけ言い残すと、さっさと席を立ってしまった。 小泉首相は、厚生大臣だった一九九七年七月、アフリカのジンバブエを外遊したことがある。その際に、ムガベ大統領に会わせろと無茶な注文をつけ、現地の日本大使館を困らせた。大使館の努力にもかかわらず、結局ムガベ大統領には会えなかったのだが、そのときの小泉大臣の怒りようは尋常ではなかった。 そもそも一介の厚生大臣が、小国といえども一国の国家元首に当然のように会わせろとねだること自体が、思いあがりも甚だしい。しかしそういう認識は、小泉厚生大臣にはまったくなかった。怒り心頭に発した小泉厚生大臣は、「こんな生意気な国には援助を打ちきれ」と不満をぶつけ、わが国の大使がムガべ大統領と緊密な関係を築いてこなかったから、アポイントメソトの一つも取れなかったのだと怒鳴り散らした。 このときのトラウマがあったのであろう。それにしてもこれほど不勉強な首相も珍しい。その小泉首相がブッシュに気に入られたい一心で、いち早く米国の対イラク攻撃を支持表明したのだとすれば、噴飯ものである。それを一緒になって持ちあげる外務官僚は、売国的でさえある。 |
他国へ派遣している大使に向かって「君たちの重要な任務はその国の首脳と親しい関係を作ることである」と発言する小泉氏には呆れ果ててしまいます。
小泉氏は各国大使を、日本から出掛ける議員達の接待係と誤認されているようです。
小泉氏は、イラク大使に対しても「フセイン政権首脳と親しい関係を作ることが重要な任務」と信じていたのですか?!
イラク大使から、フセイン政権の圧政などの報告を受けていたのですか?
イラクの政情分析、(多額な機密費を用いて)日本独自の大量兵器の調査などを指示していたのですか?!
小泉首相のように全て米国任せで、日本が(世界)が安泰ならば、日本は独立国と云うより、米国の属国となるべきではありませんか!?
この米国の属国的な小泉氏の思想が次の発言にも認められます。
(毎日新聞1月27日付けより)
小泉純一郎首相は27日の衆院予算委員会で、日米同盟と国連重視とのかね合いについて「日本が侵略された場合に、国連が守ってくれるかというとそうでもない。日本1国だけでは我が国の平和と安全は確保できないので、日米安保条約を結んでいる」と述べた。朝鮮半島有事など日本の安全保障のためには日米同盟が優先するとの考えを示したものだ。
…… |
こんな発言をする小泉氏は、世界の人々に馬鹿にされます。
だって、日本は世界第2位の軍事大国ではありませんか!?
(しんぶん赤旗(2003年6月18日付け))
……スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が十七日発表した年次報告書(二〇○三年版)によると、二〇〇二年の日本の軍事支出はドル換算で四百六十七億ドル(約五兆五千億円)となりました。米国に次いで世界で二番目の高さです。以下は英国、フランス、中国の順で、この五カ国で世界全体の62%を占めています。 |
税収の約12%(2002年度の税収は、約45兆)も注ぎ込む「米国に次いで世界で二番目」の軍事大国の日本の首相が、「日本1国だけでは我が国の平和と安全は確保できないので、日米安保条約を結んでいる」と述べるのなら、世界の全ての国は米国との安全保障条約を結ばなくてはなりません。
そんな馬鹿な!
(そんなにも役に立たない自衛隊なら、もっと予算を削減して欲しい!)
そして又、小泉氏達は「北朝鮮の核の脅威」を吹聴し、この脅威を守ってくれる米国との関係を大事にしなくてはいけないと力説しています。
本当に米国は「北朝鮮の核」から日本を守りますか?!
先にも引用しました天木氏の著作の中には、「安保条約の解説書」に関して、次のようにも書かれています。
同僚からホッチキスで綴じられた十数ページの薄っぺらいタイブ打ちの冊子を渡された。 「市販の解説書をいくら読んでも役に立たないよ。外務省の職員が読むべき解説書はこれだけさ。いわばバイブルだ。他の解説書を読むとむしろマイナスになる」 この冊子こそ、栗山が条約課長の時代にものした日米安全保障条約についての「外務省員洗脳の書」なのである。それは日米安保条約の全体を解説するというよりも、主としてこれまで国会でどのような論戦がなされ、政府としてどう答えてきたかという虎の巻のようなものである。しばらく読み進んだところで私は、「あっ」と声を上げんばかりに驚いた。 それは日本が実際に軍事攻撃された場合、果たして米国は自ら血を流して日本を防衛してくれるのかという根本的疑問に関するくだりであった。栗山は言う。 「米国は日本と共通の価値観を有する信頼できる唯二の国である。そのような国に対して助けてくれないかもしれないなどと疑念を抱くこと自体、誤りであり米国に対して失礼である」 これが外務省条約課長の教えなのである。いかなることがあっても、常に米国に盲従していく外務官僚の原点が滑稽なまでにここに表れている。 これが外務省職員のバイブルだというのだ。まさか国民は、わが国の外交がこれほどまでに底の浅いものだとは想像もしていまい。しかしこれが、日米外交の偽らざる実態なのである。 |
「疑念を抱くこと自体、誤りであり米国に対して失礼である」と云う発想は、「常に米国に盲従していく外務官僚の原点が滑稽なまでにここに表れている」との天木氏の指摘に120%納得し、驚愕してしまいます。
こんな脳天気で済むのですか!?
こんな外務省だったら無くても同じではありませんか!?
万一、北朝鮮が日本に核攻撃を仕掛ける事態となった時、米国は自国への北朝鮮からの核攻撃の危険性を無視して、日本を助けますか?!
そんな事は有り得ないではありませんか!?
今、日本中を闊歩している「国益」は、米国にも影響します。
そして、米国は、「日本の安全」よりも「自国の安全」こそが、米国の国益と判断して、日本への北朝鮮からの核攻撃に対して、米国は反撃することを当然ながら控えるでしょう。
どだい北朝鮮が日本に核攻撃を仕掛けてきますか!?
そんなことをしたら、北朝鮮は世界中から相手にされなくなってしまうじゃありませんか!?
この北朝鮮の核の脅威よりも、米国による「小型核兵器(使える核)」の開発の方が、もっともっと危険ではありませんか!?
朝日新聞(2003年11月25日付け)
……ブッシュ大統領は24日、小型核兵器の研究を10年ぶりに解禁する内容を盛り込んだ総額4013億ドル(約43兆7千億円)の04会計年度国防権限法案(国防予算案)に署名し、同法は成立した。地中貫通型の核兵器開発費も盛り込まれており、軍備増強を目指すブッシュ政権の姿勢が色濃い内容だ。 5キロトン(広島型原爆は15キロトン)を下回る小型核兵器の研究開発は、94会計年度の国防権限法案にある「スプラット・ファース条項」で禁止されてきた。今回の国防権限法ではこの条項が10年ぶりに撤廃された。 米国が小型核兵器の保持を目指せば追随する国が現れ、新たな軍拡競争につながりかねないと批判されている。だが、ブッシュ政権は、小型核兵器を「使える核」と位置づけ、核抑止力のために必要だと考えている。 今回の国防予算には、地下施設を破壊する5キロトン以上の地中貫通型核爆弾の開発費1500万ドル(約16億3500万円)も前年に引き続き盛り込まれている。 |
今でも米国は、アフガニスタンやイラクで劣化爆弾を使用して、多くの市民へ劣化ウランから生じた放射能による障害を押し付けているのに、この上、更に強力な放射能汚染を世界に撒き散らすのですか!?
日本は、米国に盲従するだけでなく、この様な米国の動きに対して、世界で唯一の核被爆国の日本こそが、真っ先に反対すべきではありませんか!
そして、天木氏の著作の「あとがき」には次の点が記されています。
歴代首相の中で小泉首相ほど、政治と国民を舐めてかかった政治家はいない。みせかけの構造改革を進める小泉首相が、いかに無責任な指導者であるか。私は外務官僚として内部からこれを目撃してきた。アラブの心情などこれっぽっちも眼中になく、ブッシュ大統領の人殺し政策に諸手を挙げて荷担し、拉致問題の解決のためなら今こそ自ら平壌に乗り込み金正日と直談判すべきところを、そんなことはする気もなく逃げ回っている。 |
私は、天木氏に同感です。
小泉首相の答弁は本当に私達国民を舐めています。
イラクへの自衛隊派遣に関しては、「バカの壁」なる言葉も使っていたようです。
更に、1月28日の衆院予算委で、陸上自衛隊が活動するイラク南部サマワ市の評議会が機能停止となっているにも拘わらず、評議会が存在していると発言し、その後、「撤回する」とは述べたが、野党議員からの謝罪を求める声に対して、記者からマイクを向けられ
“撤回すると云う事は、お詫びそのものではないですか” |
と、私達を舐めきって嘯いている小泉氏の顔がテレビ画面に映し出されていました。
今の日本をガタガタにしている元凶は、どんなに間違っても謝罪しない責任をとらないこの小泉氏同様の体質ではありませんか!
そして、小泉氏ご自身が平壌(2002年9月17日)にて金正日氏と締結した「日朝平壌宣言」をお忘れなのですか?
そこには次の記述があるではありませんか!?
朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認した。また、双方は、核問題及びミサイル問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認した。 双方は、安全保障にかかわる問題について協議を行っていくこととした。
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若し、北朝鮮に対して核の懸念があるなら、この条約に盛られている「核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守すること」を小泉氏は金正日氏に強行に直談判すべきではありませんか!
そして、「拉致問題の解決のためなら今こそ自ら平壌に乗り込み金正日と直談判すべき」ではありませんか?!
この件も得意の丸投げですか?
この様にいい加減な小泉氏の、総理大臣に就任して初めての記者会見(2001年4月27日)文の冒頭を読むと、何と無能の評判が高い前総理の森氏そっくりであることに驚きます。
総理大臣に就任して初めての記者会見ですが、総理に就任して、ますます総理大臣というのはこんなに重圧が掛かるのか、と総理に就任する前には思ってもみないほどの緊張感と重圧を感じています。 孟子でしたか、こういう言葉があります。「天将にその人に大任をくださんとするや、まずその心志を苦しめ、その筋骨を労せしむ。」…… |
森氏は総理就任に際しては、「天の声と思って引き受けます」旨の発言をしていました。
(拙文《私は、森、野中両氏が大嫌いです》を御参照下さい)
本当に「天」(が存在するとして)が、小泉氏や、森氏風情に「総理たる大任を」託すでしょうか!?
彼等を総理の椅子に座らせたのは、決して「天」ではなく、自民党議員達の思惑ではありませんか?!
小泉氏も(森氏も)、謙虚であって欲しいものです。
こんないい加減な小泉氏を同情していると、田原氏ご自身も「賞味期限切れ」になってしまいますよ。
(田原氏は、森氏に対しても同情の意を示しています。(拙文《心を理解出来ない田原氏と森氏》を御参照下さい)))
それにしましても、小泉氏に関して不思議なことがあります。
朝日ニュースターの番組「パックインジャーナル」を見るたびに、“司会の愛川欽也氏は何と不勉強なのかしら、そして構成の横尾和博氏に対しては、3流評論家だ”との認識をあらたにしていますが、このお二人は、小泉氏に対し当初(全国的小泉フィーバーの時点)から最低の評価を与えていました。
この小泉評価の件に関しては、今の私は、このお二方に最大の敬意を表しております。
田原氏も目を覚まして、変節した田原氏(拙文《田原総一朗氏の変節》を御参照下さい)ではなく昔の田原さんに是非戻って頂きたく存じます。
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